地球の地表へ向かって、人型をした機械“モビルスーツ・フラット”が数機ほど降下していく。一機にはロラン・セアックとキース・レジェ、フラン・ドールという3人の少年と少女が乗っていた。
 そのひとり、ロランはノース・アメリア大陸の東にあるビシニティという町に辿り着き、近くの川で溺れてしまうが、幸運にもふたりの姉妹に助けられた。
 姉妹の名はキエル・ハイムとソシエ・ハイム。その日は町の成人式の日だった。
 15歳になった少年と少女が御輿を担ぎ、近くのアーク山へ向かうのだ。
 麓に着いた少年少女を代表して、キエルは“ホワイトドール”と呼ばれている石像の前で成人式の主役を務め、その様子を見たロランはとても感動する。
 姉妹の父が経営する鉱山に雇われたロランは、2年後、自動車の運転手に抜擢された。
 その日、グエン・サード・ラインフォードと名乗る青年と会うロラン。
 ガリア大陸との戦争に備えて工業化を進めているグエンが、2年前、コヨーテに襲われたのを助けてくれた人で、ビシニティを含むイングレッサ領の主の御曹司と初めて知る。
 ある日、ノックスの街に出たロランは、そこで別れたきりだったキースとフランに再会できた。ふたりはそれぞれパン屋と新聞社で働いていたが、3人の心配は土に埋まったはずの“フラット”が誰かに見つかること。深夜、ひとり山中へ向かったロランは、“フラット”が埋まっていることを確かめると安心して大声で叫んだ。「地球はとてもいいところだ! みんな〜! 早く帰って来い〜っ!!」と。だが、その叫んだ先が夜空に輝く月だということを、不審に思って尾行していたソシエが見ていたのだ。

【STAFF】
脚  本:星山博之
絵コンテ:斧谷 稔
演  出:渡邊哲哉
作画監督:土器手司
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