ロランたち一行は、月面に到着した。
 月面を環状に走る運河の下にムーンレィスの都市は広がっていた。運河には鯨も居れば、漁をして生活をする人も、清掃をする人々もいる。ロランはその運河人(うんがびと)の出身だ。
 ディアナとソシエを故郷の運河へ案内したロランは、かつての仲間、ドナやハメット達と再会する。
 その頃、ギンガナムと接触したグエンは、地球からの貢ぎ物や、ミスルトゥで救助した捕虜シッキネンを渡して、直接交渉の糸口を探っていた。
 ギンガナムは、月の管理人アグリッパへ伝えるが、いつ接見になるか分からぬとはぐらかす。リリは「高貴な女性を待たせる無礼な殿方は、地球にはいない」と、ギンガナムの自尊心をくすぐって興味を抱かせた。
 運河人の集落に腰を落ち着けたロランとディアナとソシエは、月では地球での戦争のニュースを伝えないばかりか、戒厳令が敷かれたり、ギンガナム艦隊がちょくちょく月に降りて来て市政が悪い方向へ傾き始めていると聞かされる。そしてハリーからの連絡で、アグリッパに月のシステムの半分が掌握され、ディアナ・カウンターへの補給の遅延も暗殺者のことも全て仕組まれていたことを伝えられた。
 ディアナはアグリッパを正すためにもゲンガナムへ行かわねばならないとロランに相談する。
 しかし、戒厳令が敷かれ、システムが停止している現状では向かうこともままならない。
 すると、ロランは幼なじみのドナに運河の癖を利用するよう提案される。
 運河下のフォン・シティに降りたロランたちは、フリーマーケットを通ってある倉庫へ行く。
 そこでは男達が骨組みを、女達が皮を縫い、モビルスーツを鯨に変装させるための準備が行われていた。ドナはディアナをナイトのように守ろうと一生懸命なロランを励まし、ソシエは運河人の少女達と仲良くなる。みんなの助けで完成した鯨の着ぐるみでホワイトドールを覆い、ロランとソシエは運河を月の首都ゲンガナムへ進んだ。
 しかし、ヒゲがある鯨に気づいたステロ隊は攻撃を仕掛けてきた。
 ロラン達は街を守るために攻撃ができず、水中で危機に陥る。
 同じ頃、ゲンガナムの宇宙港へ降下するギンガナム艦隊の旗艦アスピーテに、ミリシャの宇宙船ウィルゲムも続いていく。
 はじめて目にする月の運河の都市に目を見張るリリとグエン達。
 そこへ、ステロ達から「ムーンレィスの裏切り者を発見」との報告が入る。
 グエンは、地球では、脱走者は衆人環視で銃殺の慣例があるので、生かして引き渡して欲しいとギンガナムを牽制する。
 一方、ロラン達に攻撃するステロ隊に、ドナ達の鯨の群が妨害する。
 ロランはその隙をついてステロ機を動けなくして退却させた。
 運河を壊さないように戦ったロランに礼を言うドナは、首都ゲンガナムの目前まで送り届けて、別れを告げた。

【STAFF】
脚  本:大河内一楼
絵コンテ:アミノテツロー
演  出:渡邊哲哉
作画監督:菱沼義仁、戸部敦夫
INDEXPREVNEXT


© SOTSU・SUNRISE
注意:内容および画像の転載はお断りいたします。お問い合せ先はこちらをご覧ください。