ボストニア城で月と地球側の会議が行われた。月側の休戦協定破りを責める地球の領主達に対し、ディアナは今まで入植したムーンレィスを引きあげることを申し出て、交換条件として交渉再開を約束させる。その手腕にグエンは瞠目するが、一方で月に帰れぬ事情があるかもしれないと洞察する。
 ホワイトドールの操縦を覚えきれないソシエは、ロランにまた救われたことが悔しかった。そこへシドたちが訪ねてきた。ロランの持っている手帳に出る、機械人形の操縦マニュアルの情報全部を写真に収めて焼き増しするという。使用人のジェシカからは、ハイム夫人の様態を案じて、お嬢さんに帰ってきてほしいという嘆願がくる。
 同じ頃、ボストニア城にはキエルが招かれていた。民間レベルの情報交換のために、ディアナが希望したのだ。グエンは更にディアナに飛行船での地上視察を勧め、準備を始める。
 ミリシャの陣地では、掘り出されたフラットの代価として札束がキースに支払われた。喜ぶキースはパン工場を造り、パンを持ってきますと約束。視察の通達はそこにも届き、ミリシャには徹底した休戦状態が厳命される。
 出発を待つディアナとキエルは、自分たちが似ていると気づく。そして遊び心から衣服を交換、すり替わったまま視察へと出かける。
 飛行船にはビシニティに帰るソシエとロランも乗っていた。
 ソシエは、姉キエルに扮したディアナに母を見舞うよう訴える。グエンはソシエの願いを聞き、飛行船をビシニティへ向けた。護衛のハリー中尉のゴールドスモーが遠くから見守っている。キエルに扮したディアナは、途中の車内から町に残る戦火の爪痕を見て心を痛める。やがてビシニティ空港へ到着、一行はハイム家を訪れる。
 キエルに扮したディアナは夫人の痛々しい様子を見、さらにハイム氏の墓を見て、自分の責任を痛感する。墓前にひざまづき謝り続けるその姿にキエルは心打たれ、父の墓を前にキエルだと名乗れず涙ぐむのだった。

【STAFF】
脚  本:高山治郎
絵コンテ:斧谷 稔、菱田正和
演  出:山口美浩
作画監督:しんぼたくろう、中田栄治
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