ウィルゲムが月へ近づく間に、宇宙初体験のミリシャたちは様々な騒動を引き起こし、核爆弾を捨てるチャンスを伺うロランは、その収拾に奔走することになる。
 ウィルゲムの通路では、移動用レバーに不慣れなミハエル達が混乱して無重力での行動の難しさに不満を覚える。宇宙酔いで体調を崩したラダラムやシドは、ハリーから頭痛止めの民間療法を教えられて試す。
 無重力未体験のソシエとキエルも、シャワーを浴びようとして、ゼリー状に空中に浮かんだ大量の水滴で溺れかけて、ロランに救われたりする。
 宇宙に懲りたヤーニはミリシャ兵と共に酔っ払い、脱走を企てた。樽に入って地球へ帰ってしまおうというのだが、真空の宇宙で樽は弾けてしまった。危機一髪、ロランのホワイトドールに救われるものの、無知故の事件は同時多発的に発生。リリは医務室に運ばれてくるミリシャ兵を見てバカにするが、グエンは宇宙の民として地球人がムーンレィスと交渉するためには必要な通過儀礼であり、月へ行かなくては交渉も成立しないと考えていた。
 しかし、ついにミハエルの堪忍袋の緒が切れた。家族を思い出したことが原因だが、ブリッジを占拠し、地球に引き返せと叛乱を起こしたのだ。
 月の女王ディアナと信じられ、人質にされたキエルは、ディアナであれば月へ向かっても安全だと諭し、キエルであれば人質にはならないと説得を試みる。ハリーは収拾策としてブリッジの空気を抜くように命じた。
 酸欠になるのを恐れたミハエル達はブリッジを飛び出して格納庫へ向かい、機械人形を奪って宇宙へ飛び出してしまった。ハリーはクーデターに対する処罰は死罪が適当で、不穏分子の排除ができたと冷酷に処理しようとする。
 だが、ロランの優しさはそれを否定。ホワイトドールで救助に向かう。ミハエル達は連れ戻しに来たロランに攻撃。核爆弾のこともあり、防戦一方のロランは苦戦する。しかし、大勢が乗り込んだ機械人形のコックピットでミハエル達は酸欠を起こし、敢えなく連れ戻された。
 全員で写真を撮ることでみんなの気持ちは再びひとつになる。ミハエル大佐は、家族の写真を手に再び、地球へ帰ると心に誓う。ウィルゲムは月への航行を続ける。

【STAFF】
脚  本:大河内一楼
絵コンテ:南 康宏
演  出:南 康宏
作画監督:佐久間信一
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